社会不安障害
社会不安障害は、大勢の前で意見を言ったり、人前で何かをするときに、「恥ずかしい思いをするのではないか」と過剰な心配をすることで、恐怖を感じ、発汗、震え、動悸、下痢といった身体症状を伴う疾患です。人前で何かすると緊張するという経験は多くの人にあるものだと思いますが、社会不安障害は、より強い不安を感じ、それらの状況を避けることにより、毎日の生活や仕事に支障をきたしてしまう病気です。特に緊張を要することのない場所や状況でも、強い不安を感じてしまいます。放っておくとうつ病などを引き起こす恐れもあるので、思い当たることがあれば、早めに受診することをおすすめします。
多くは10代後半から20代にかけての発症がみられますが、管理職につき人前で話す機会の増える40代で発症することも珍しくありません。男女比に大きく差はありませんが、若干男性に多く見られ、日本では生涯のうちに約3~13%の人が社会不安障害を経験するとされています。
原因は未だはっきりとは明らかにされていませんが、脳内の神経伝達物質であるセロトニンのバランスが乱れて、不安を誘発しているという説や人前で恥ずかしい思いをした経験が引き金になったという報告もあります。
最も一般的な療法は薬物療法と精神療法の併用です。