全般性不安障害
全般性不安障害は、限られた状況や決められた状況だけでなく、持続的に、理由がはっきりしていない不安や心配が続き、心身の症状が伴う疾患です。その症状として、①イライラ感、②集中困難、③将来に対しての不安、④くつろげない、⑤発汗、⑥めまい、⑦筋緊張性頭痛が挙げられます。普段の生活が順調であるのに、“破産したらどうしよう”、“子どもがグレて世間に迷惑をかけたらどうしよう”など、ありもしない心配を根拠もなく最悪の方へと考えてしまいます。一過性に抑うつ気分が出現することが多いですが、気分障害の診断基準を満たすことはないとされています。
男女比は女性にやや多く見られ、日本では生涯のうちに約5%の人が全般性不安障害を経験するとされています。また、全般性不安障害の疾患を持つ人の50~90%は他の精神障害との併存がみられます。
原因は未だはっきりと特定はされていませんが、不安傾向のある素因をもった方に強いストレスが加わり発症すると考えられています。
治療では、薬物療法と精神療法の両方を考慮することが大事です。精神療法は、認知行動療法、支持的精神療法などがあり、長期的な治療をしていくことが好ましいとされています。