適応障害
適応障害は、ストレスに感じる出来事の他に転居や結婚などの生活変化が生じてから、約1ヶ月以内に発症するとされています。症状は、①抑うつ気分、②不安、③心配、④涙もろくなるといった気分に現れるものの他に、行動に現れる①暴飲暴食、②危険運転、③無断欠席、④喧嘩といった衝動的行動を起こしたいという感情に襲われることもあります。また、未成年の場合、夜尿症や指しゃぶりのような退行現象となって現れることもあります。
男女比は1:2で女性に多く見られ、また独身の女性のリスクが高いことがわかっています。日本では生涯のうちに約5~20%の人が適応障害を経験するとされています。あらゆる年代で起こりえますが、最も多いのは青年期といわれています。
どのような程度のストレスでも原因となり、またそのストレス源は一つの出来事であるとは限りません。さまざまな状況が重なって原因を形成することや、単発的なストレスではなく、長期的、反復しているストレスによっても発症の引き金となり得ます。
薬物療法では、それぞれの病型に合わせ、抗うつ薬や抗不安薬を使用します。また、精神療法は適応障害の治療手段として非常に有効とされています。一番は、その発症のストレス因子を取り除くことが根本的な解決となります。